織物を楽しく学べる教科書『ハタオリ学』が2024年3月に完成しました。ハタオリ学は「地域に根ざしたハタオリから、この街独自の面白さやそこから生まれる可能性に気がつくきっかけになれば」という、地元の織物職人さんたちによって発案され、全国の皆さんからいただいた「ふるさと納税クラウドファンディング」の一部を活用することで出版することができました。ご支援を賜り心より感謝申し上げます。
山梨県富士吉田市のルーツなどを織物の視点から捉え、歴史学、地理学、民俗学、音楽・文学、社会学、人類学、機械工学、染色化学、経済学などの学問として再構築することで、さまざまな「学びの入口」を用意しました。「歴史学」では、縄文時代から作られていた布がこの地でどのように発達したのかを追い、「地理学」では、四大天然繊維が四大文明とともに育ったことを学べ、「文学」では、夏目漱石、芥川龍之介、太宰治といった誰もが知る文豪が「甲斐絹」について綴っている作品を紹介するなど、各分野とも興味をそそる仕掛けが散りばめられています。
専門的な分野については、ふじさんミュージアムや山梨県産業技術センター繊維技術部など、それぞれの専門家にチェックしていただいており、調べ学習や夏休みの⾃由研究にも対応できる内容となっています。
ハタオリ学は、富士吉田市立図書館の蔵書として市民に広く貸し出すほか、市内の小中高校に寄贈し、高校生が地域の課題解決について考える授業「富士山学」や、小中学生がふるさとについて体系的に学ぶ「富士山学習」の教材としても使用する予定です。
富士吉田市に生まれ育つ子どもたちが、本書を通じてふるさとへの理解と愛着を深め、私たちが誇る織物文化を次世代へと確実に継承してくれることを強く願っています。
販 売 日:2024年5 月16 日(木)
サ イ ズ:B5 判 上製本 160 ページ
販売価格:3,960 円(税込)
発 行 元:富士吉田織物協同組合
編 著:高須賀 活良
編集・デザイン:株式会社トリッキー